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『印度動物記』
藤原 新也

あなたが、あなたである証は、
あなたの心のいちばん奥底で、
真っ青に咲いている。
何故に悲しむ、何故に苦しむ、
何故に孤独にふるえ、何故に絶望する。
一体、なんのために?
「感じる力」を失ってはならない。
「生きる力」を失ってはならない。


もちろんポジティブであることにこしたことはないが、
闇から目を外らし、見て見ぬふりのポジティブは危険だ。
「自分が何を感じているのか」に不感症になることは、
ちょうど光と闇の境界が曖昧になるように、
「生きるエネルギー」を薄めてしまう。

「感じることに不感症になっている人間」
そんな人間がこの国・日本には実のところ多い。
藤原新也さんの本に目を通すたびに、そう思わされる。

光が強ければ、その分、闇も濃くなる。
それがこの世界の法則。
あなたが何に悩み、苦しみ、絶望したかは、
結局、なぜあなたは生きるのか?
つまり「あなたがあなたである証」につながっている。
何かにとことん悩めることとは、れっきとした才能。
何かにとことん怒れることとは、使命への一本道。

藤原新也さんといへば、『印度放浪』、『東京漂流』、
『メメント・モリ』等が
代表作となるだろうが、
当店はこの『印度動物記』をお薦めする。

動物記と表しながらもその背後に暗示されているのは、
現代人への深い、深い、啓示である。
読んでいるうちに不思議な瞑想状態に入っていくのが、
藤原さんの文章の凄いところであるが、
本作の最終章で衝撃にブン殴られる。

「星の聖地」と呼ばれる、聖地タラ・ピティーをめざす著者は、
地元でその聖地が「死へ行きつつある森」と
呼ばれていることに興味を持つ。

しかし、尋ねる人皆がその理由を隠してはぐらかす。
謎にとり憑かれた著者はその謎を追い、
ついにある聖者のもとに辿り着き、その真意を知る。
キーワードは「ゼロ」と「猿の数を見よ」。
本当に衝撃的なので、あとは是非本編をお読み下さい。

本の状態 ★★★☆☆ 3.0点 
(状態の目安 ★5点...最美品 ★4点...美品 
★3点...普通 ★2点...状態悪し ★1点...破れあり) 

帯          あり
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レア度        ★★★★☆ ややレア
定価         ¥1,080
販売価格       ¥550 
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